- 電気が短絡(ショート)ってどういうこと?
- よく聞くんだけど、ハッキリなんなのか分からない。
- わかりやすく解説して欲しい。
こんな疑問にお答えします。
- 電気の短絡とは? わかりやすく解説
この記事を書いてる僕は、第三種電気主任技術者の資格を取得。
電気関連の会社に15年以上勤めてます。
✔動画でも解説してます
文字より動画のほうが良いって方は、動画をご参考下さい
では、解説していきます
電気の短絡とは? わかりやすく解説
「短絡」もしくは「ショート」とも呼びますが、意図せずに「電位差のある2点」を繋げてしまうことをいいます。
短絡してしまうと、超大電流が流れてしまうので、感電は勿論、火が出ることも有り、非常に危険です。
意味不明な単語が多くて、よくわからない。電位差?抵抗?導体?
ごめん!ごめん!じゃあ専門用語をかみ砕きながら、解説していくね
電位差のある2点
非常に聞きなれない「電位差」という言葉ですが、電位差というのは電圧のことです。
イメージしにくいかもしれませんが、電気というのは「電位(電荷の位置エネルギー)の差」を設けることで流れます。
この「電位の差」というのは、「滑り台の上から水を流すイメージ」を持って頂くと理解しやすいかもしれません。
この図のように、滑り台の上から「バケツの水」を流すと、水は”滑り台の下”に向かって流れていきます。
これは、高いところから低いところに向かって水を流しているので、水に”下向きの力が働き”滑り台の下に向かって流れる。ということになりますよね。
これは当たり前だね
✔電気も同じ
電気も同じで、現実には無理ですが滑り台の上から「バケツに入った電気」を流すと、電気は滑り台の下に向かって流れていきます。
この時、”電気を流した位置”と”電気が落ちる位置”の差が電位差です。
- 電気を流した位置:電位100
- 電気が流れ落ちる位置:電位0
この差は100になるので、電位差は100。電気を流す圧力(電圧)は100[V]ということになります。
水と電気は似てますので、水の流れに例えると理解しやすいですよ
✔身近なものだとコンセント
電位差のある2点で一番わかりやすいのがコンセントです。
コンセントには2つ穴があると思いますが、一般的に左側(接地側)が0、右側(非接地側)が100になってます。
家電製品の電源コードを差し込むと、電位差のある2点を接続することになるので、電気が流れて家電が動くという訳です。
あれ?でも電位差のある2点を繋げたら短絡するんじゃ
家電製品は抵抗が大きいから大丈夫なんだよ。
抵抗も解説するんだけど、先に導体について解説するね
導体
導体のいうのは電気を通しやすいもので、銅やアルミニウム等の金属が代表的です。
家電製品の電源コードは、電気を流しやすい「銅線」が使われてます。
電気を通しやすいもの..
✔絶縁体
逆に電気を通さないものを”絶縁体”と呼びます。身近なモノで言うとゴムやガラスが絶縁体です。
人気漫画のワンピースに出てくる「ルフィ」もゴム人間なので絶縁体になります。
エネルとの闘いで、電気が効いてなかったのは絶縁体だからですね。
そういう理由で雷が効かなかったのか
抵抗
抵抗という名の通り、電気を流しにくくするものを電気抵抗といいます。
先ほどの”導体”と”絶縁体”を例にすると、こんな感じです。
- 導体:抵抗が非常に小さく、電気を通しやすい
- 絶縁体:抵抗が非常に大きく、電気を通しにくい
さっきの質問だけど、なんで家電は短絡しないの?
それは、電化製品の抵抗が大きいからだよ
✔抵抗が大きいと短絡しない
短絡は、抵抗が小さい導体を接続すると起こるので、抵抗が大きい”電化製品”をコンセントに繋げても起こりません。(電気が全然流れない)
コンセントの両穴に抵抗が非常に小さい”銅線”を繋げると短絡します。(大きな電流が流れる)
ちなみに銅線の抵抗は0.001[Ω]、電子レンジの抵抗は10[Ω]ぐらいなので、約10000倍も電気の流れにくさに差がありますね。
そういうことなのか!
これで短絡の意味も分かるかな?
✔ここまでの解説をまとめてみると
短絡というのは、電位差のある2点(例:コンセントの左右)を抵抗が非常に小さい導体(電気を非常に通しやすいもの)で接続することで、大電流が流れる現象
ところで、大電流が流れると危険なの?
ものすごく危険だよ!!
短絡が危険な理由
短絡すると超大電流が流れるので、機器や電源コードの破損や感電の危険もあり非常に危険。
それに加えて、抵抗に電気が流れると”熱”が発生するので、電源コード等が溶け火が出ることもあります。
ひ!?火がでるの…?
大電流が流れるので、発生する熱も相当なものです
実際にどれほどの電流と熱が発生するかは、以下の記事で解説しております。
気になる方は以下をご参考下さい。
すいません。現在作成中です。
まとめ|【小学生でもわかる】短絡 (ショート)とは?わかりやすく解説
短絡がどういうものか解説しました。
“電位差”や”抵抗”、”導体”といった言葉を噛み砕くとこんな感じです。
- 電位差:電圧のこと。滑り台の上から水を流すイメージで、滑り台の上と滑り台の下の高さの差。
- 導体:電気を通しやすもの。主に金属等。
- 抵抗:電気の流れにくさを表すもの。
短絡は日常でも起こることがあるので、この記事で理解を深めて頂いて、電気を安全に使って頂けると幸いです。
という訳で今回は以上になります。
この記事が参考になると嬉しいです。