- 電気とガスってどっちのほうが安いの?
- 僕の体感では電気のほうが安いイメージなんだけど?
- 電気とガス!どちらのほうが安いか知りたい
こんな疑問にお答えします
- 電気とガスはどちらの方が安い?
- 電気とガスを計算して比較してみた
この記事を書いてる僕は、第三種電気主任技術者の資格を取得。
電気関連の会社に15年以上勤めてます。
電気のことはお任せください
✔電気とガス!あと灯油。部屋暖めるならどれが安い?
先日、友達から質問を頂きました。
自分なりに計算して、友達には回答しましたが…。
友達のように、”電気”と”ガス”と”灯油”どれが安いんかな?って疑問に思われてる方も居られるかな?と思い、記事にまとめてみました。
どれが安いんだ?
✔動画でも解説してます
【部屋の暖房】電気とガスと灯油はどれが安い?
先に結論を申しておくと、一番エネルギーコストが安いのは灯油になります。
電気とガスより、灯油が安い!というのは有名かもしれませんが、安く使うなら灯油がオススメ!
ただ、灯油は給油が必要であったり、灯油を買いに行く手間があり、これらが面倒ではあります。
朝一で給油が必要な時とか最悪…。
✔電気とガスと灯油を計算して比較
灯油が安いのは間違いないですが、
- 他のエネルギーとどれくらい差があるか。
- 電気とガスどちらが安いか?
この辺りも知りたいので、計算して比較していきます。
ガスは、都市ガスとLPガスと2種類ありますので、計4つを比較していきます。
【部屋の暖房】電気とガスと灯油どれが安いか計算してみた
- エアコン = 電気(kwh)
- ガスファンヒーター = 都市ガス (㎥)
- ガスファンヒーター = LPガス (㎥)
- 灯油ストーブ =灯油 (ℓ)
部屋全体を暖めるには、主にこれらの暖房器具を使用するかと思います。
“どれを使うのが一番安いか”比較したいのですが、どれも単位が違うので、このままだと比較するのが難しいです。
そこで、これらを比較する為に、J(ジュール)という「エネルギー」や「仕事量」を表す単位に統一し、そこから料金を比較していきます。
確かに単位が違う…
まずは単位を揃えていきます。
単位を J(ジュール)に統一
- 電力 1kwh = 3.6MJ 1000w×3600s = 3.6MJ
- 都市ガス 1㎥ = 45MJ 出典:東京ガスネットワーク
- LPガス 1㎥ = 99MJ 出典:神奈川県LPガス協会
- 灯油 1ℓ= 36.7MJ 出典:Iwatani 各種燃料比較
それぞれのエネルギーを J(ジュール)で表すと、こんな感じになります。
これは、エネルギー1に対しての仕事量です。
電気1kwhには3.6MJのエネルギー(仕事する力)がある!というイメージ。
各エネルギーを J(ジュール)で表せたので、今度はこれらがどれくらいの料金に相当するかを出していきます。
2022年12月21日に私が調べた各エネルギーの単価がこちら。
- 電気 1kwh = 33.86円
- 都市ガス 1㎥ = 190円
- LPガス 1㎥ = 636円
- 灯油 1ℓ =114円(店頭価格)
電気とガスは我が家の使用量から算出してます。
※各エネルギーの単価は、地域や契約プラン、使用量によって異なります。
※電気は179kwh、ガスは79㎥の使用での単価。基本料金や燃料費調整額、再エネ賦課金、税金を含んでおります。
この単価を先ほどの仕事量に代入していきます。
- 電気 33.86円 = 3.6MJ
- 都市ガス 190円 = 45MJ
- LPガス 636円 = 99MJ
- 灯油 114円 = 36.7MJ
こんな感じですね。
でも、これだと比較しにくいので、1MJあたりの料金にしていきます。
1MJ = 何円にするほうが比較しやすいよね
- 電気 1MJ = 9.4円
- 都市ガス 1MJ = 4.2円
- LPガス 1MJ = 6.4円
- 灯油 1MJ =3.1円
こんな感じになります。
比較して1番に思ったことが、”電気が高すぎる!” 以前はもっと安かったのに…。
最初にも言ったとおり、一番安いのは灯油ですが、買いに行く手間や”車で運搬するならガソリン代が必要”というデメリットが有りますね。
単純に仕事量だけで単価を比べると、電気よりガスを使用する方が安いです。
じゃあ電気よりガスを使うほうが良いんだね
という訳では無いんだよ。暖房効率を考えないといけない
暖房効率を考えて比較
ガスや灯油はそのまま燃やすだけですが、エアコンはヒートポンプを使って外気の熱を吸熱して放熱する機能を持ってます。
✔ヒートポンプのイメージ
外気の熱を吸熱し、暖房に混ぜて放熱するので、暖房効率が良くなる
この効率を成績係数COPで表しますが、エアコンのカタログに載っている”暖房能力”を”暖房消費電力”で割ると暖房COPが計算できます。
エアコンにはヒートポンプがあるので、ガスや灯油を使った暖房器具より暖房効率が良くなってます。
エアコンってズルい能力もってるなぁ
エアコンが安い!ガスは高い!と言われるのはこのため
✔COP3のエアコンを使うと
- エアコン:COP3(仮)
- ガスファンヒーター:COP1
- 灯油ストーブ:COP1
我が家のエアコンのCOPを調べたら3.85有りましたが、計算しやすくするため3と仮定。
ガス・石油ファンヒーターは、単純に燃料を燃やしてるだけなので、COPを言うなら1になります。
これを踏まえて、エネルギー別の仕事量の料金を計算すると
- 電気 1MJ = 3.13円
- 都市ガス 1MJ = 4.2円
- LPガス 1MJ = 6.4円
- 灯油 1MJ =3.1円
さっきと違い、電気が一番安くなります。
うわ!!そういうことなんだ!
やっぱり僕の思った通り、電気の方が安いんだね
それがね…。COPは外気温等の使用環境によって変化するから、電気が高くなる場合もあるんだ。
COPは使用環境によって変化する
COPの値は外気温等、使用環境によって変化します。
真冬で外気温が0度付近まで下がる時期や、氷点下を下回る地域で使用する場合、さっき3と仮定したCOPは3以下になります。
仮にCOP2まで下がった場合、先ほどの仕事量あたりの料金はこんな感じに変化します。
- 電気 1MJ = 4.7円
- 都市ガス 1MJ = 4.2円
- LPガス 1MJ = 6.4円
- 灯油 1MJ =3.1円
ガスの方が安いじゃん!
使用環境によってはガスの方が安い場合もあるから注意してね
ここまでをまとめると
- 灯油が1番安い
- COP3以上であれば電気の方がガスより安い
- COP3以下であれば電気よりガスの方が安い
- LPガスが一番高い
手間はありますが、エネルギーコストは灯油が1番安いので、少しでも安く暖房を使いたい方は石油ファンヒーターを使うのがオススメです。
あと、各暖房器具を”1時間運転させた時の料金”も計算してみたので、参考までにまとめておきます。
参考レベルではありますが、役に立つと嬉しいです。
暖房器具1時間あたりの料金
- エアコン18畳用
- ガスファンヒーター15畳用(コンクリート21畳まで)
- 石油ファンヒーター15畳用(コンクリート21畳まで)
これらの暖房器具を、1時間使用したときの料金を計算してみました。
ただ、暖房器具は使用環境(部屋の広さや外気温、室内の温度等)によって、使用料金が変わりますので、一概に1時間○○円と提示することが出来ません。
ですので、各暖房器具の最小能力と最大能力を用いて、1時間使った場合の金額を計算し、最小~最大の料金範囲を出してみました。
最小~最大料金の範囲が分かれば、凡その料金は把握できるかと思います。
ザックリ把握するには役立つかな?
最小~最大料金
各暖房器具の最小~最大料金は、暖房能力の最小~最大能力から計算していきます。
それぞれの暖房能力はこんな感じです、
- エアコン:0.6kw(最小)~10.2kw(最大) 消費電力:105w~3670w
- ガスファンヒーター:1.05kw(最小)~5.81kw(最大)
- 石油ファンヒーター:1.23kw(最小)~5.7kw(最大)
暖房能力を比較すると、エアコンが一番高いですが、暖房能力が高ければ良い!という訳ではありません。
それぞれの暖房器具には良し悪しがありますので、こちらも簡単に紹介しておきます。
✔各暖房器具の特徴
各暖房器具の特徴はこんな感じです。
超簡単では有りますが、ご参考下さい。
この暖房能力を仕事量に変換し、先ほどの単価を用いて料金を計算すると
- エアコン:3.54円(最小)~102.08(最大)
- ガスファンヒーター(都ガ):15.9円(最小)~87.8円(最大)
- ガスファンヒーター(LPガ):24.2円(最小)~133.8円 (最大)
- 石油ファンヒーター:13.7円(最小)~63.6円(最大)
こんな感じになります。
各暖房器具の特徴と1時間の最小~最大料金を参考に、少しでも部屋の暖房が安くなれば幸いです。
まとめ|【部屋の暖房】電気とガスは灯油はどれが安い?計算して比較してみました
今回は「電気」と「ガス」と「灯油」どのエネルギーが一番安いか計算してまとめてみました。
- 電気 1MJ = 3.13円
- 都市ガス 1MJ = 4.2円
- LPガス 1MJ = 6.4円
- 灯油 1MJ =3.1円
エネルギーコストが一番安いのは「灯油」になりますが、その代わり”給油”や”灯油を買いに行く”というデメリットがあります。
これが面倒よね
電気とガスを比較すると、電気の方が安いですが、これは使用環境によって変わります。
- 使用環境が良い(外気温が7℃以上等):電気が安い
- 使用環境が悪い:ガスの方が安い
こんな感じです。
部屋の暖房は使用環境によって、どの暖房器具が一番安いか変わる感じになります。
ですので、一概にどの暖房器具が良い!とは言いにくいですが、エネルギーコストを基準に考えるなら、灯油を使う「石油ファンヒーター」が一番安いです。
というわけで今回は以上になります。
この記事が参考になると嬉しいです。