
コンセントの電源コードが切れてしまった…。
ペットに嚙み切られた…。
電源コードが切れた場合の修理方法を教えて欲しい
こんな疑問にお答えします。
- コンセントの電源コードが途中で切れた!修理はできる?
- 電源コードが切れた場合の修理方法
コンセントの電源コードが切れてしまうトラブルは、意外と多く発生します。
犬や猫がかじってしまったケースから、コードの上に物を置いてしまっていて断線したケースなどいろいろ。
見た目は軽い損傷でも、「感電」「ショート」「発火」につながる危険な状態になっていることが考えられます。
とはいえ、
- 「自分で直せるのか?」
- 「業者に頼むべきなのか?」
- 「修理費ってどれくらい?」
このあたりが分からず、まずどう動けばいいのか悩みますよね。
この記事では、電気工事士の視点から “修理できるケースとできないケースの判断基準” と、 正しい修理方法 を分かりやすく解説します。
安全に使い続けるために、まずは正しい対処法を把握しておきましょう。
✔電気工事士の資格が必要
電源コードの修理には電気工事士の資格が必要です。
資格が無くても作業そのもはできますが、誤った修理はショート・発熱・火災の原因になります。
資格が無い方は、無理に修理しようとせずに、製造メーカーや電気屋さんに依頼するようにして下さい。

無理に修理するの危険なので止めて下さい
コンセントの電源コードが途中で切れた!修理はできる?
コンセントの電源コードが切れてしまっても、修理することは可能です。
切れた場所や損傷の程度によって修理方法が異なりますので、まずは以下の2点を確認して下さい。
- コードに余長はあるか
- プラグやコネクタは損傷していないか
順番に解説していきますね。
コードに余長はあるか
ある程度の余長が無ければ、コードを途中で接続することができません。
プラグやコネクタの根本で切れていて、余長が無い場合はプラグ・コネクタを分解して修理することになります。
プラグとコネクタは基本的に分解できないので、交換が必要になるケースが多い。
- コネクタ(機器との接続部):コードAssyなどメーカーから部品を取り寄せる必要がある。電化製品によっては部品販売していない場合もある。年数が古く廃番になっている、人気薄なものは基本的に無い。
- プラグ(コンセントとの接続部):電源プラグは簡単に手に入るので、プラグごと交換すればOK。ただし、見た目が若干変わる。
コード全体が損傷している場合は、電源コードが自体の交換が必要になります。
プラグやコネクタは損傷していないか
電源コードが途中で切れているだけなら、プラグやコネクタの交換は不要です。
しかし、プラグ・コネクタ自体が欠けていたり焦げている場合は、交換が必要になります。
✔コネクタの修理は難しい
先ほども記載しましたが、コネクタ側を修理するには、コードAssyなどの部品を入手する必要があります。
部品が無いケースも多く、修理するにも電気工事士の資格が必要です。
下手に修理すると、感電や火災に繋がる危険もありますので、メーカーや電気屋さんへの修理依頼をおすすめします。

コネクタ側はメーカー修理が無難です
✔プラグは部品が簡単に入手可能
プラグはホームセンターでも販売しているので、簡単に入手可能です。
交換作業も比較的簡単に行えますので、「安く済ませたい!」という方は、試してみて下さい。
プラグの交換方法が分からない方は、こちらの記事をご参照ください。
「見た目が変わるのが嫌だ!」という方は、製造メーカーに純正プラグの修理可否を問い合わせてみて下さい。

製造メーカーに問い合わせてみるよ
電源コードが切れた場合の修理方法
電源コードが切れた場合の修理方法は、下記の3つになります。
- 自分で接続する(資格と工具が必要)
- 電気屋さん、製造メーカーに修理依頼する
- 買い替える
順番に解説していきます。
自分で接続する(資格と工具が必要)
コードを接続するには圧着ペンチと呼ばれる接続用の工具が必要です。
コード自体は「2本の銅線」で構成されているため、それぞれを正しく接続すれば電気は流れます。(Bスリーブと呼ばれる接続材を使って接続します)
作業内容としては難しくありませんが、 電気工事士の資格が必須 です。
リンク経済産業省(電気工事士資格不要の「軽微な電気工事」とは?)

資格を持っていない方は、安易にやらないように
✔ねじり接続は絶対にNG
素人がやりがちな修理方法が、「銅線をねじってつなぎ、ビニールテープを巻いて終わり」という方法ですが、これは絶対にやってはいけません。
理由は以下のとおりです。
- 接触不良が起こりやすく、発熱 → 火災の原因になる
- テープは時間とともに粘着力が落ち、絶縁不良になる
- 振動や引っ張りで簡単に外れる
- 法的にも認められない接続方法
電源コードは「安定した導通」と「確実な絶縁」が何より重要です。ねじり接続ではそのどちらも確保できません。
不安な場合、工具を持っていない方は、必ずプロに依頼してください。
✔必要なもの
- Bスリーブ(B-1.25 or B-2)
- 圧着ペンチ(赤色 1.25 or 2 を圧着できるもの)
- ニッパ(ペンチでも可能)
- カッターナイフ
- 自己融着テープ
- ビニールテープ
Bスリーブは線の太さによって大きさが異なります。
一般的に家電で使われているコードの場合、「B-1.25」になるかと思いますが、太い線の場合は「B-2」も視野に入れて下さい。
✔作業の流れ
- STEP1切れた部分を整える
- STEP2外装と芯線の被覆を剥く▼外装
カッターナイフを使って、外装にぐるっと切り目をいれます。(力を入れすぎると中の芯線が傷付くので注意)
表側半分に切り目をいれて
カッターナイフを反対向けて、裏側半分にも切れ目をいれます。
カッターナイフの刃を少しだけ出します。
切れ目を入れた位置の真ん中に刃を入れて、上記写真のように矢印の方向に引いて切れ目を入れます。
切れ目から外装が剥けるので、手で外装を剥きます。
切れ目が浅い場合は、もう一度カッターナイフで切れ目をいれて下さい。
外装が剥けたらOKです。
▼芯線の被覆
ニッパを使って芯線の被覆を剥きます。
片方の手で芯線を固定し、ニッパで芯線を軽く挟んでから回転させて、ぐるっと軽く切れ目を入れる。
軽く切れ目が入ったら、芯線を固定していた手の親指で、ニッパを上記写真の矢印方向に押し出すと被覆が剥けます。
- STEP3Bスリーブで接続する
- STEP4絶縁処理を行う
Bスリーブで圧着した部分を絶縁処理していきます。今回はエフコテープ2号+ビニールテープで絶縁処理を行います。
屋外で使うようなケーブルの場合は、エフコ1号+エフコ2号もしくは、レジン注入形ケーブル接続キットや収縮チューブの使用を推奨しますが、、、
屋内で使うコード類は、エフコ2号で十分かと思います。
適当な長さに自己融着テープ(エフコ2号)を切って、圧着接続した部分に巻きつけていきます。
このとき、軽くテープを引っ張りながら巻いて下さい。
こんな感じに巻けたらOKです
反対側も巻いて下さい
自己融着テープを巻けたら、ビニールテープを巻いていきます。
2回ほど巻いておけば十分です。
こんな感じで仕上がればOKです
見た目は悪くなりますが、一番安価に修理する方法です。
電気屋さん、製造メーカーに修理依頼する
安全性を最優先するなら もっともおすすめの方法
▼修理費用の目安
- 家電量販店:5,000〜15,000円
- メーカー出張修理:10,000〜20,000円
本体と一体型のコードは交換が難しいことが多く、「部品がない→本体丸ごと交換」の判断になるケースもあります。
テレビ・電子レンジ・洗濯機などは、ユーザーが触れない部分まで開ける必要があるため、完全にメーカー修理になります。
買い替える
次のような場合は、修理より買い替えた方が確実に安全です。
- 本体が古い
- 部品が廃番でメーカー修理ができない
- 修理費が高額で、新品を買った方が早い
- コードだけでなく本体にもダメージがある
- 何度もコードトラブルを繰り返している
特に小型家電(扇風機・こたつ・電気ケトルなど)は、修理費より買い替えの方が安いケースがほとんどです。
買い替えで確実に安全が確保できるなら、それが最適解です。
まとめ|コンセントの電源コードが切れた場合の修理方法
電源コードが切れた場合、「とりあえずテープで巻いて使う」、「ねじってつないでおく」といった応急処置は非常に危険です。
修理方法は以下の3つになります。
- 自分で接続する(資格と工具が必要)
- 電気屋さん、製造メーカーに修理依頼する
- 買い替える
電源コードは見た目以上に繊細で、誤った修理は 感電・ショート・火災 につながります。
迷ったときは、製造メーカーか電気屋さんに相談してみて下さい。

安全のためにも、無理な修理は避けてください
というわけで今回は以上になります。
この記事が参考になれば嬉しいです。























