- 地震で停電したらブレーカーを落とす理由って何?
- 落とさなかったらどうなるの? 家電が壊れる?
- 誰でも判るように解説して下さい
こんな疑問にお答えします。
- 停電したらブレーカーを落とす理由
- 停電したら落とすブレーカー
- 停電時の注意事項
この記事を書いている僕は、「第三種電気主任技術者」の資格を保有。
電気設備を管理する会社に10年以上勤めており、今までの経験と知識を元に解説していきます。
停電したらブレーカーを落とす理由
停電が復旧すると使ってた家電製品に電気が流れます。
地震や災害が起こると、家電製品が「倒れたり」「壊れたり」するので、そこに電気が流れると、、、。通電火災が発生。
家電製品から火が出て、「避難所から戻る頃には家が燃えてる」って感じになります。
こうならない為に、ブレーカーを落とします。
✓ 通電火災とは?
復電と同時に電気機器が動き出し、漏電や暖房機器からの出火が原因で発生する火災のこと
火災の発生率は60%を超える
過去に起きた2大地震でも、電気に起因する火災は総出火件数の60%以上を占めています。
✓ 阪神淡路大震災
総出火件数 285 件の出火原因のうち電気に起因する火災が占める割合は、出火原因が不明なケース(146 件)を除くと、約 61%(85/139 件)に達するものと考えられている(図表 5)(総務省消防庁 1998)。
✓ 東日本大震災
(前略) また、本震とは別に、余震や地震後の停電復旧、地震で破損した機器を使用したこと等に起因した火災でも、電気が火源となったものは約 70%(37/53 件)となっている(図表 9)。これらを合計すると、東日本大震災での地震型火災 163 件の約66%(108/163 件)が電気火災であったといえる。
ブレーカーを落とすだけで、火災発生率はグっと下がりますので。
避難時はブレーカーを落として下さい。
ん?でも、どのブレーカーを落とせばいいの?
それも解説していくね
停電したら落とすブレーカー
家に引っ越してきた時、一番最初に入れるブレーカーが、停電時に落とすブレーカーです。
「そんなん忘れた」って方は、以下のどこかに付いてますので一度探してみて下さい。
- 玄関
- 洗面所
- トイレ
このどれかに分電盤があります。
見た目はこんな感じになりますので、ご参考下さい。
✓ 分電盤 その①
✓ 分電盤 その②
どの分電盤でも、「向かって一番左に付いてる、一番大きいブレーカー」を落とせばOKです。
場所が判ってると緊急時に焦らないね。
注意事項も抑えておくと安心ですよ。
停電の注意事項3つ
✓ 停電時の注意事項
- ①避難時にブレーカーを落とす
- ②ロウソクなど裸火を使わない
✓ 復電時の注意事項
- ① ブレーカーは全部落としてから入れる
順に解説していきますね。
停電時①:避難時にブレーカーを落とす
停電は地震(災害)以外でも起こりますので、「停電したら必ずブレーカーを落とす」というわけではありません。
避難が必要な場合に、ブレーカーを落としましょう。
✓ 停電の原因を把握できると安心
停電の原因を冷静に把握できると、より安全な対応な可能です。
主な停電の原因以下になります。
- 地震:規模が大きいと、送電側にトラブルが生じる。
- 台風:暴風で送電線が切れる。
- 落雷:一時的な停電。復電を待つ
- 送電側のトラブル:復電を待つ
- 電気の使い過ぎ:落ちる前に使った家電を抜く
まずは、家の回りを見て「外灯や近所の家も停電してるか」を確認しましょう。
自宅だけ停電している場合は、使い過ぎの可能性が高いです。
✓ 自宅だけ復電しない
回りは復電してるのに、自宅や回りだけ復電しない場合は、電力会社に連絡すればOK。
自宅回りの電線だけ切れてる場合もありますよ。
電力会社のホームページで速報もチェックしよう
停電時②:ロウソクなど裸火を使わない
停電時にロウソクを使ったら家が燃えた。というのは、よくある話でして。
「いやいや、そんなバカなこと無いでしょ」って思うかもですが、消防庁が公式Twitterで発信するぐらい重大なことです。
✓ 総務省消防庁の公式Twitter
停電している地域のみなさま。今夜、あかり取りの目的で、屋内でロウソクなどの裸火は極力使わないでください。台風21号後の関西の停電地域で、少なくとも3件ロウソクからと思われる火災が発生しています。もし手元にあればLED懐中電灯などのご使用を。[消防研究センター]
— 総務省消防庁 (@FDMA_JAPAN) September 6, 2018
このように、ロウソクで火災が3件も発生してるので、使用は絶対に避けましょう。
LED電灯を1個でも準備しておくと、ロウソクや裸火に頼ることも無いですよ。
✓ ビニール袋を使って光を拡散
ペンライトが意外に使えるとTwitterで話題になってました。
テレビ見てる感じだと停電とかはあまり無いみたいですが、停電で困ったときはペンライトが意外と使えますよ。
ペンライトに白い袋(スーパーやコンビニの袋)を被せると明るくなる範囲が広がります。
私も東日本大震災の時使ってました。 pic.twitter.com/rAjVdGRC75— …φ(..)めもめも (@repo39) April 14, 2016
✓ ペットボトルでもOK
実際に試してみたら、明るさは思った以上に広がります。
これ考えた人賢いなぁ
知ってると便利よね。
次は復電時の注意事項です。
復電時①:ブレーカーは全部落としてから入れる
大地震で避難し、家に戻ってもスグにブレーカーを投入してはいけません。
家電や宅内の配線が破損していると、電気が漏れて(漏電)、火災や感電事故に繋がります。
まずは分電盤のブレーカーを全て落としましょう。
✓ 安全にブレーカーを入れる手順
- STEP1ブレーカーを全て落とす
- STEP2メインブレーカーを入れる
- STEP3子ブレーカーを入れる
- STEP4ブレーカーが落ちる場合不具合があると、ブレーカーを入れても自動で落ちます。
落ちたブレーカーはOFFにしておき、絶対に使用しないで下さい。感電や火災の危険があります。
早急に電気屋さんに連絡して、ブレーカーが落ちる原因を調査して貰って下さい。
- STEP5ブレーカーが入る場合問題無く入る場合は、そのまま使って頂いて大丈夫です。
不具合が生じた場合は、専門知識を持つ電気屋さんに見てもらって下さい。
電気は目に見えないので、素人の方が下手に触ると、感電死する危険があります。
電気は危険だからね。
まとめ│地震で停電したらブレーカーを落とす理由
停電して避難する際は、ブレーカーを落とすようにして下さい。
落とすだけで、火災の発生率がグッと下がりますので、宜しくお願いします。
というわけで今回は以上になります。
この記事が参考になると嬉しいです。